mayさんの自転車日記

自転車ツーリングが好きです

日野出屋忘年会 2011.12.17-18




二十曲峠の富士山



来年より、福島に単身赴任する事になり、東京近郊を走るのは今しかないという、ある種の脅迫観念に取り憑かれてしまいました。そのため、10月のWFRの秋の集中ランでは懐かしい笹子峠−大菩薩ー牛の寝−松姫峠を走り、11月のACF忘年会もやはり懐かしい十石峠に行きました。
そして12月にはクラブランの計画が無いので、自分で企画することにしました。
企画するうえで一番大切なのが宿です。ロケーション然り、温泉然り、そして宿の雰囲気。
もう間違いなく、日野出屋さんに決まり!
日野出屋さんといえば、大久保さん。ということで、まずは大久保さんに日野出屋さんの空いている日を確認していただき、12月17日に決定しました。

日にちを決めてから、日頃私の自転車仲間に連絡したところ、殆どの人が二つ返事。さすがは、日野出屋マジックです。

このところ、連続して雨にやられていたので、装備がだんだん増え、また、前々日の天気予報ではマイナス5度とのことで、更に荷物が増え、スポルティーフで行く予定が、ザックとミニベロといういつもと同じになってしまいました。寒さ対策で靴は革の山靴を選択し、ペダルをSPDからトークリップ・ストラップに交換。しかし、いつものラットトラップペダルが見つからず、何とか入りそうなクイルを選択しましたが、これが実は大失敗で、上りでさんざん苦しみました。





2011.12.17 (Sat)

朝、5時過ぎに起床し、最寄りの吉祥寺駅へ。
袋に詰めてから、いつもサイクリングに行く時と同じ駅前の松屋に行き牛丼を食べ中央線ホームへ。
この時間は本数も少なく乗り遅れたらアウトです。
三鷹で特別快速に乗り換えますが、ホームも違うし、来た電車は非常に混んで座れず。
ふと隣の車両に輪行袋が見えたので、覗きに行くと、櫻井さんがいました。
高尾でも別のホームとなっていて、朝から運動をさせられます。



高尾では、荒川さんがいて、一緒に河口湖行きの
電車に乗り替えます。ホームは人がごった返して
いて、電車もやはり非常に混んでいましたが、
ラッキーにも座ることができました。
藤野を過ぎると電車は空き始め、上野原で荒川
さんを見送ります。電車はそのまま富士急線に
乗り入れました。車窓から富士山を見ていると
嫌が上でも期待は高まります。





東桂につくと、すでに、橋本さん、門田さん、
後藤さんが自転車を組み上がっていました。
一本前の電車で到着とのことで、大あわせて
組み上げ、走りだそうとしたら、今度は一本
後で石田くんが到着。あとですぐに追いつく
と思うので先に出発。駅前のコンビニで昼食
を調達してから、鹿留林道に向かいます。
日が当たっているので、全く寒くないどころ
か、熱くなり、皆、薄着で走り出します。





途中、大きな釣り堀がありますが、そこを
すぎるとゲートが閉じていて、「道路崩落の
ため通行止め」とあります。
その横の水場で水汲みをしていた人が「この
先は通行止めだから行っては駄目だ」と盛ん
に言っています。何度かやりとりしたあと、
「行ったことありますか」と聞くと「いや、
行ったことはない」とのことで、ダメ元で
行ってみようということにして柵の横を
通り抜けて先に進みます。
あとで、追いついた石田くんによると
「散々、行くなと言ったのに、行ってしまった」
と言っていたそうです。
確かに、執拗に言われました。




文頭で少し触れましたが、ペダルの選択を
完全に間違えました。
トークリップがMサイズだったので登山靴
ではきちんと入らず、つまさきでペダルを
踏む感じになりいつも使わない膝の裏の筋が
吊りそうになります。
挙げ句の果て、トーストラップがちぎれて
しまいました。
しばらくは切れたままで走っていたのですが、
どうも調子が悪く、ザックをフロントキャリ
アに固定していたトーストラップに交換しました。




暫く行くと、「虹の木橋の先通行止め」との
看板が見えます。林道は一部ダートは残って
いるものの、ほとんどが綺麗に舗装されてい
てました。
虹の木橋を過ぎると勾配がだんだんときつく
なります。その頃になると、何箇所か路肩が
崩れている所がありました。





一箇所ガードレールもろとも崩落している所が
ありましたが、自転車で走るには問題ない状態。
結局特に問題もなく、走っていけました。





峠が近づくと、日陰には雪が残っていたり凍って
いたりするところもあり、冬だということを思い
出させます。登り切ると、アップダウンが続き、
やっと峠に。





峠の手前では、ゲートが閉まっていました。
写真をとっていると、車で来ている大久保さん
から電話が入り「ずっと電話していたがやっと
つながった。二十曲の登り口に人が立っていて、
車は通行止めと言われた」とのこと。
どうするかをあとで連絡すると言って、先に
行っているメンバーと相談すべくゲートを越え
ようとしたら、後ろから軽自動車が上がってきて、
鍵でゲートをあけてくれました。
「忍野から車で来れないと言っているんですが」と私。
「そんなことはないですよ。上がってこれますよ」と
車のおじさん。





二十曲峠では、雲ひとつない空に、巨大な富士山が
待っていてくれました。

ふと横を見ると、いつものように何台も車が止まって
います。大久保さんに「車が何台も止まっているし、
林道の管理のおじさんも登ってこれると言っていますよ」
と連絡。「下に降りて食事はしたくないので申し訳ない
けどここで食事してます」と大久保さんに伝えると、
もう一度チャレンジしてみるとのこと。
早速、食事の準備を始めます。





ものの15分ほどで聞きなれたルノーのエンジン音が
聞こえ、大久保さん、宮本さん、金子さんが登場。
一緒にランチを取ります。気がつけば、2時を
回っています。




慌てて撤収し、富士山をバックに記念撮影(とは
言っても逆行で人の顔がよく見えず)し、金子さんが
自転車を組むのを待ってから、山中湖に向かって走り
出します。




下りはさすがに風が冷たかったのですが、短い下りを
終えるとやはり日差しが暑く、またセーターを脱ぐはめに。
山中湖までのだらだら上りを走り、湖畔に着いたら、今日の
目的の一つ、高村商店にハムを買いに行きます。
前回は、アブラハムを購入しましたが、今回はケーゼと
富士山ハンバーグを買ってみました。
すでに時計は3時を回っています。




日暮れまでには宿に着きたいので、距離の短い北回りで
(ママの森の坂道が嫌いなので通常は南回りを選ぶのですが)
平野に向かいます。平野で待ってくれていた大久保さんの車に
ザックを預け、山伏峠を登り出します。
空身になり、快適に登れました。





サポートカーのおかげで意外とあっさりと山伏峠に到着。
縦走中の黒澤くんが降りてくるのを待ちますが、なかなか
降りてこないのと、日がだいぶ傾いてきて寒くなってきた
ので皆、走り出します。
私は、ザックを背負うのに手間取りもたもたしていたの
ですが、そのおかげでか、黒澤くんと一緒に下ることが
出来ました。




長い下りを楽しみながら、かつ寒さに凍えながら日野出屋へ。
日のあるうちになんとか到着できました。
いつも自転車を置く中洲へ渡る橋が台風のために欄干が
壊されたため危険なので渡れなくなっていたのには
びっくりしました。





部屋に荷物を置き、まずはビールで乾杯。
6時頃になると、良い匂いがしてきます。
配膳をしている若女将に聞くと今日は我々だけの貸切です。
とてもラッキー。他の客に気兼ねなく思う存分騒げます。

お腹も空き、ややフライング気味に宴会に突入。
炉端で焼いたヤマメの塩焼き。頭から骨まで食べられます。
思わずお代わりしたくなります。またムカゴ等の山の幸、
さらには鹿肉のたたき。
今、思い出しただけでも、涎が出てしまいます。





メインのしし鍋にたどり着く頃には、お腹が随分とくちく
なって来ました。私は乗っていたイノシシ肉をシャブシャブ
のようにして食べてみましたが、これがおいしいのなんのって。
大久保さんに、「次回はしし鍋ではなく、シャブシャブにして
もらうように頼んでくれませんか」とお願いしてしまいました。
ビール、カッポ酒、骨酒と気持ち良い位、みんな飲みます。





と、光男さんがなにやら怪しい物を持って登場。
そのまま、炉端に座って焼き出します。
今日は貸切なので、スペシャルサービスのようです。

私は、お箸を持って炉端に移動し「これは何ですか?」
と聞くと、「鹿のもも肉だ」とのこと。
かなり大きな肉の塊が網の上に置いてあります。
「どうやって食べるのですか」「こうやって茶色くなった
ところをナイフで削いで食べればいいんだよ」と、皆に焼けた
ところを切り分けて配ってくれました。





焼けたところから削ぎ、またひっくり返して焼いては
削ぐを繰り返します。まるで、ケバブのようなイメージです。
皆がよってたかって食べたのであっという間に半分以上が
お腹の中へ。しかし、それが限界でした。残った肉は、
大久保さんが綺麗にさばいてくれて、翌日のランチに
いただくことにしました。大久保さんのナイフさばきは
いつ見ても鮮やかです。

その後、部屋に戻り、12時頃まで歓談し、眠りにつきました。





2011.12.18 (Sun)


道志の谷の日の出は遅いです。7時頃でもまだまだ暗いので、晴れているのかどうかさえわかりません。
7時過ぎに布団から抜け出し、朝風呂を浴びに入っていると、ようやく明るくなって、日差しが見えてきました。今日も快晴のようです。二日間、好天に恵まれ、とてもラッキーです。





朝ごはんはいつもの朴葉味噌。ご飯が進んでしまいます。
材料は写真にあるようにいろいろな野菜をみじん切りに
したもの。





これを朴葉の上にのせ、ごま油と特製味噌を混ぜて焼き
上げます。シンプルなのですが、これだけを食べに来る
人もいるぐらいです。
夕べから食べ過ぎなのになんでまた食べられるのか、
というくらい食べられてしまうのが不思議です。しかも、
気がつくとご飯のおかわりまでしています。
女性陣も例外ではありません。恐るべし、朴葉味噌。





10時前にいつもの階段での記念撮影。
冬なのでそれほど交通量が多いわけではないのですが、
セルフタイマーで写真を取ろうとすると車が横切ったり
するのでタイミングが大切です。
無事撮り終えて、みんなで厳道峠に向かいます。






厳道の入り口までに、幾つか問題が発生しました。
まず、一柳さんの年代物のユッチンソンのタイヤのサイドが
経年変化でボロボロと落ちていき、カーカスコードがしっか
りと見えています。実は、2週間ほど前にトーストラップを
届けたときに「私のユッチンソンのタイヤのストックも全滅
だったから交換したほうがいいのでは」とアドバイスしたの
ですが、「まだ弾力があるから大丈夫。これで行く」とおっ
しゃっていたのです。完全なオープンサイドになるのも時間の
問題のタイヤでも、だましだまし乗っています。さすが長老。




つぎに橋本さんのパニアバッグのベルトが切れました。昨日の二重曲がりの上りでも一本切れたのですが今日もまた切れてしまいました。予備のトーストラップを使用してなんとか事無きを得ました。
最後は私。昨日は右のストラップが切れたのですが、この日は左も切れてしまいました。今まで一度も切れたことがないのですが。知人からもらったミカシマのトーストラップだったのが行けなかったのでしょうか。

いずれにせよ、年季の入った革製品、ゴム製品は注意が必要という教訓でした。






厳道峠へは、比較的勾配のゆるい野原林道を上がること
にしました。サポートカーを期待してのことです。私は、
ペダルの不調を口実に道志みちの分岐になった途端に押し
歩き。情けない話です。次回は、靴とペダルのマッチングを
絶対に取りたいものです。





しばらく登って行くと、沢の水が道路を流れ、そこが
アイスバーンになっている所が有りました。
さすがのミシュランスタッドレスも歯が立たない(注)。
サポートカーはここで断念し、引き返すことになりました。
なんとかUターンして、ルノーは下って行きました。

大久保さんと峠での食事を楽しみにしていただけに残念で
なりません。

(注)上野原での反省会で、参加メンバーの一人、
某国内大手タイヤメーカー勤務の人より「日本の氷には
日本メーカーのタイヤでないとダメだ」との発言有り。






我々も恐る恐るアイスバーンを歩きますが、ツルツルで
何度も転びそうになりました。こちらに降りてきたら
何人かは転倒していたかと思うと、上りで本当に良かった
です。100mほど上るとアイスバーンの元凶となっていた
沢がありました。かなり流量が豊富で、かつ、土砂が崩れて
いて本来は道路の下に流れるはずの水が道路の上を流れてい
たためにアイスバーンの原因になっていました。
ここで、沢の水を補給。峠でのランチに備えます。






まもなく、富士山が見え隠れしてきました。
峠はもうすぐです。峠で皆が立っているのも見えます。

いつもは巌道峠の上の鉄塔下でランチとするのですが、
傾斜があるのとそれほど大勢は座れないので峠の南側の
広くなった場所でランチとしました。
とにかく富士山がものの見事に見えます。





黒澤くんがザックからバーナーを2つ取り出し、おでんやら
焼きそばやら色々作ってくれました。
私は、骨付きソーセージを焼いたり、もちを焼いたり。
櫻井さんは、ラーメン作り、そのあと夕べの残りのうどんと
鹿肉で鹿南蛮うどんを作ります。黒澤くんもおでんの汁に
うどんを入れやはりおでんだしの鹿南蛮うどん。それに私の
焼いたもちを入れ、力南蛮の完成。 とても美味しかったので
写真を取るのを忘れてしまいました。
しめに橋本さんの玉露を頂き、重い腰を上げ、上野原へと
降りていきます。
下りは思ったほどは、雪もなく、ただ一箇所アイスバーン
ありヒヤッとしたぐらいです。
その後は快適に長い下りを秋川まで。






秋川で、自走して帰るという相川を見送って、長い新秋川
隧道を行きます。毎度ながら、トンネルは苦手です。
明神隧道の下には完成間近の新明神隧道がありこれが出来れば、
かなり楽ができると思います。






今年の2月は藤野に出て失敗したので、この日は素直に
上野原に出ました。
到着したのは3時過ぎでした。
袋に詰めてから、駅前の定食屋の2階を借りきっての
反省会。





真っ白なもつ煮込み、地元の豆腐などとても美味しく
いただけました。サイクリングのあとのビールも最高です。
どんどんビールが進みます。予定の1時間をこえ5時前に
お開き。大慌てで5時4分のホリデー快速に乗り込むべく
駅にダッシュ






意外と混んでいたので、私と橋本さんは電車を見送り次の
高尾行きに乗ることにして、非常用に持っていたウィスキー
で2次会。20分後には車上の人となりました。







好天にも恵まれ、また、楽しい仲間にも囲まれ、とても濃い2日間を過ごすことが出来ました。
サイクリング最高! 仲間も最高! 富士山最高!

久しぶりに、心から楽しむことが出来ました。
これも大久保さんが、サポートカーをしてくれたり、宿の手配をしてくれたりと、色々とお気遣いしてくれたおかげです。
残念ながら、体調を崩し、無理ができないのが悔やまれます。
早く体調を回復され、一緒に走れるようになることを祈ってます。