自転車好きの知り合いと夜食事をしていたところ、いわきには宇宙石というのがあり、一部ではいわきのエアーズロックと呼ばれている。景色も良いので行くべきといわれ、早速行くことにしました。
この日は、朝から風が強く、これはいつものことなので、そのうちやむだろうと、たかをくくって出発。
いわき駅では、旧型のスーパーひたちと磐越東線、常磐線が見送ってくれました。
駅からに程近い夏井川に出て川沿いに進みます。
藤の花が満開でした。
とてもきれいなので、思わず自転車から降りて写真撮影。
水石山の脇にこの間行った小玉ダムが見えました。
景色は良いのですが、とにかく逆風が強く、しかも向かい風でなかなか進めません。
だらだらとした、そして時々8%ぐらいある上り坂を強い逆風のなか必死に走ります。
スピードはまったく上がりません。
少しめげてきたときに夏井川にかかる木製の橋を見つけ、一休み。
江田の駅のすぐそばに、背戸峨廊というのがあります。
まだ行った事がないのですが、この地図を見るとスポルティーフでは難しそうです。
徒歩で巡ってみたいと思います。
さらに逆風に負けそうになりながらも坂を上っていくと、木の枝の間から滝が見えました。
篭場の滝です。丸くなっていて、篭のように見えるのでそういう名前がついたのではないかと想像します。
自転車を置き、籠場の滝を上から覗きました。
風で吹き飛ばされそうになり、足がすくみました。
この写真もかなり命がけで撮りました。
道は夏井川沿いに進んでいきます。
このあたりになると、ほとんど車が走らないので、快適です。
渓谷の景色、流れの音を楽しみながら、夏井川を上っていきます。
ただし、川沿いなのですが、勾配の急なところもあり、川沿いだといって、なめては走れません。
道端に水準点がありました。
地図で確認すると、標高221m。地図によると、距離で約20km。
時計を見ると、走り出してからすでに2時間。
勾配がきついのもありますが、やはり強風の影響が大きいと思います。
川前駅でトイレ休憩とエネルギー補給。
駅前はものすごく広いのですが、駅舎はこじんまり。
いかにも田舎の駅というようないい味しています。
たしか、よく通っていたときの信濃川上もこんな雰囲気でしたね。
今は無人駅になっていましたので、ホームに上がったりしました。
駅の時刻表です。
東京の仲間を誘っても、始発のスーパーひたちに乗ってもいわきに9:18着。
磐越東線は、8:41発なので、乗り継げません。しかもその次は、13:13発。
ここを東京の仲間に案内したくても、いわき駅から自走しかないようです。
かなり大変なことになるかと思いますが、日帰りも可能ですね。
川前駅から2kmほど先で分岐があり、いよいよ夏井川からはなれます。
入り口にはこの先峠という看板があり、しかも大型車通行不可とも書かれています。
どんな峠があるのか楽しみになります。
毎度おなじみの看板が。
今回も気にせずに走って行きます。
しかし、その先で工事中のおじさんに、「本当は自転車も通行止めなんだけどね。この先でも工事しているから、注意して行って下さいよ。」と言われてしまいました。すなおに「ありがとうございます」と言って先へ進みます。
その先の工事現場に着くと、私のほうを見て、何人かの人が話しているのが聞こえます。
「自転車来ていいのか?」「さっき、軽が引き返していったけどね」などなど。
聞こえない振りして通り過ぎました。申し訳なし。
工事は舗装と路肩補強のようでした。
工事現場を過ぎると、良い雰囲気の道になります。
さあ、どんな峠が待ってくれているのでしょうか。
心が高鳴ります。
少し走ると、いきなり開けました。
あれ、峠は??
完全に肩透かしをくらいました。
この看板を右に折れ、宇宙石のある一本山毛欅(いっぽんぶな)を目指します。
看板を過ぎると、予期せぬアップダウン。
予期せぬというのは、11%勾配。
しかも、こんな山の中に立派な道路が。
これも予期せぬことのひとつです。
とてもきれいな道で、やはり、山の中の道とは思えません。
先の看板の分岐から2つの小さな、しかし勾配のきついピークを越え、少し下ると磐越道が現れます。
磐越道をくぐると、林道が待っていました。このとき、標高はすでに500mを越えています。
宇宙石は625mぐらいのところですから、もうひとがんばりです。
良い雰囲気の中を上って行きます。
林を抜けると、まったく違う光景が待っていました。
今回のコースは意表をつく展開が待っていて、驚きの連続です。
さすが宇宙石のあるエリアです。
と、そのとき、一匹の犬が追いかけてきます。
またか、いわきでは良く犬に追いかけられるな、と思いながら必死に走りますが、坂が急なのですぐに追いつかれそう。
そこで、自転車を降り、逆に犬を追いかけたら、案の定逃げていきました。
が、また自転車にまたがると、追いかけてきます。
結局必死に走りました。
犬から逃げ切り、林を抜けると、原っぱが現れます。
緑のキャンバスの中に、ピンクの小さな花が品のある絵を描いてくれています。
進行方向の草原になにやらそれっぽいものが見えてきました。
あれが目指す宇宙石でしょうか。
宇宙石でした。
草原の中に、鎮座しています。不思議な光景です。
2方向から写真を撮ってみました。
自転車とくらべればその大きさがわかろうかと思います。
いわきのエアーズロックとも言われているそうですが、当然本家とはかなりスケールが違いますね。
宇宙石の上には簡単に登れます。
自転車も押して上がることができました。
[:H320:left] [:H320:left]
岩には、白い線があります。よく見れば岩を一周しています。
岩の上で景色を見ながら昼食をとろう準備を始めます。
風が強いので、宇宙石の上にある小さな岩陰で持ってきた厚揚げとスモークチキンをフライパンで温めていたら、いきなりの突風。
そのとき、目の前に白いものが飛んでいくのが見えました。
フロントバッグのマップケースにはさんでいた地図のうち2枚でした。
そのうちの1枚は目の前の木の枝に引っかかり、何とか回収できましたが、もう一枚はどんどん飛んでいきます。
幸い飛んでいったのは、平の5万図。なくても何とか帰ることができそう。
とはいえ、なくなると困るので岩の上で必死に地図を探します。
ずいぶん先の草原の中に白いものが見えます。たぶんあれだろうとめぼしをつけ、昼食もほどほどで下り始めます。
めぼしをつけたところは、草原の真ん中でした。
無事、地図を回収できました。(写真手前の白いものが地図です)
200mは飛んだようです。
本当に草原でよかったです。
これが谷底だったら、回収はできませんから。
宇宙石から一気に下り、差塩(さいそ)に。
ここに差塩湿原という案内が見え、せっかくですので寄り道することにしました。
気がつけば先ほど通った分岐までほとんど戻っていました。
湿原は道端にありすぐ見つけることができました。
こじんまりとした湿原でしたが、白い花が満開。
良い時期に来たものです。
白い花は、ミツガシワというそうです。
よく見ると花に毛が生えているように見えます。
いよいよ帰路に着きます。
来た道を引き返し、南下し、国道49号線に向かいます。
その途中、山肌を見ると、岩がごろごろしている光景が目に入りました。
不思議な石は、宇宙石だけではないようです。
国道に出るまでに、もうひとつピークを越えなければなりません。
勾配は8%ぐらい。
やっと到着したピーク。林道との分岐になっていました。
「高密路網重点整備事業」と書かれた標識。
この付近、地図を見ると多くの林道ができていることに気づきます。
この事業の成果なのでしょうか。
かなり急な坂を下ると国道にでます。なるべく旧道を走りいわき駅を目指します。
常磐道いわき中央インターを過ぎたところから、好間川沿いの土手道に入ります。
街中なのにこんな静かな景色が待っていました。
田んぼでは、鴨が遊んでいます。
あと5kmほどで駅に到着です。今日も楽しめました。
写真を撮った時間を書いてみました。
コースタイムの参考になればと思います。